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単価・お金

SESの単価は何で決まるのか?スキルではなく「商流の深さ」で決まる仕組みを分解する

オフィスの机で書類を手に取り、内容を確認しているビジネスパーソン

結論

SESの単価は、あなたのスキルだけで決まっているわけではありません。同じスキル・同じ現場・同じ働き方であっても、所属する会社がエンドユーザーから見て何次請けの位置にいるかによって、手元に届く金額は10万円単位で変わります。

単価が思うように上がらないとき、原因を自分のスキル不足だけに求めるのは正確ではありません。技術力は単価の「上限」を決めますが、商流の深さは単価の「取り分」を決めます。この2つは別の問題です。

だからこそ、スキルを磨くのと同じ熱量で、「自社がどの商流にいるのか」「受注単価はいくらなのか」を確認する必要があります。そして、それを聞いても答えが返ってこない場合、その事実自体が重要な情報です。

根拠

なぜ商流が単価を左右するのか。構造を3つに分けて説明します。

1. 商流とは、エンドユーザーからあなたまでの契約の連なりのこと

SES業界では、エンドユーザー(実際にシステムを使う企業)から現場のエンジニアに至るまで、複数の企業が契約でつながっていることが珍しくありません。これを商流と呼びます。

  • 典型的な形:エンドユーザー → 元請け(1次請け) → 2次請け → 3次請け → エンジニアの所属会社 → エンジニア本人、という連なりになります。
  • 各階層が取り分を持つ:間に入る各社は、営業活動・契約管理・請求業務などの対価としてマージンを取ります。これ自体は違法でも不当でもありません。問題は、その階層が積み重なることです。
  • エンジニアからは見えにくい:現場に常駐していると、直接やりとりするのは客先の担当者と自社の営業だけです。その上に何社挟まっているかは、意識して聞かない限り分かりません。

2. 階層が1段深くなるごとに、取り分が積み上がっていく

業界メディアで示されている相場感を整理すると、商流の位置によってマージン率には明確な差があります。

  • 1次請けのマージン率は15〜25%程度とされる一方、2次・3次請けでは30〜50%に達することも珍しくないと言われます。業界平均は35〜40%程度という数字がよく挙げられます。
  • 積み重なると差は決定的になる:たとえばエンドユーザーが90万円を支払っていても、3次請けに届く頃には55〜65万円まで削られている、というケースが指摘されています。同じ現場の同じ仕事に対する金額です。
  • スキルでは埋まらない差:この30万円前後の差は、技術力を上げて取り返せる性質のものではありません。契約の構造が生んでいる差だからです。

3. 単価が開示されないと、この構造は本人から検証できない

商流の問題が根深いのは、当事者であるエンジニアが自分の置かれた位置を確認できないことにあります。

  • 給与からは逆算できない:受注単価が分からなければ、月給が単価の何%なのかを計算できません。分母が伏せられている以上、還元率という言葉も検証できない数字になります。
  • 「還元率」の定義が各社で異なる:エンジニアへの還元率は平均60%前後、一般には50〜60%程度で、70%以上を「高還元SES」と呼ぶ、といった説明がされます。ただしこの数字は、社会保険料の会社負担分を含めて計算しているかどうかで大きく変わります。定義を確認せずに数字だけを比べても意味がありません。
  • 聞くこと自体が判断材料になる:単価と商流を尋ねたとき、即答されるのか、曖昧にされるのか、不快感を示されるのか。その反応は、会社の姿勢を測る有効な指標です。

行動提案

自分の単価がどう決まっているかを確かめ、必要なら動くための3つのアクションです。

1. 自分が参画している案件の商流を、自社の営業に確認する

まず現在地を把握します。遠慮する必要はありません。自分の労働の対価がどう分配されているかを知るのは、正当な関心です。

  • 聞き方の例:「この案件はエンドから何次請けになりますか」「間に何社入っていますか」と、事実を尋ねる形にします。詰問ではなく確認として切り出せば、身構えられにくくなります。
  • あわせて受注単価も聞く:「今回の受注単価はいくらですか」まで確認できて、初めて自分の取り分を計算できます。
  • 答えが返ってこない場合:無理に食い下がる必要はありません。ただ「開示されない会社である」という事実を認識し、次の判断材料として持っておきます。

2. 「還元率」を比べるときは、必ず定義をそろえる

数字の大小だけを見ると判断を誤ります。比較可能な形に直してから並べてください。

  • 必ず聞くべき一言:「その還元率に、社会保険料の会社負担分は含まれていますか」。この一問で、多くの数字は比較可能になります。
  • 分母も確認する:還元率の分母が受注単価なのか、それとも別の基準額なのかを確かめます。分母が違えば同じ%でも金額はまったく違います。
  • 月額の実額に引き直す:最終的には「単価◯◯万円のとき、月々いくら受け取れるのか」という実額で比較するのが最も確実です。

3. 商流の浅さと開示姿勢を、会社選びの評価軸に加える

スキルアップは自分の努力で進められますが、商流は所属先を選ばないと変えられません。

  • 転職・面談時に必ず質問する:「主にどの商流の案件を扱っていますか」「受注単価は開示されますか」を、待遇の質問と同じ重みで聞きます。
  • 案件を選べるかどうかを確認する:商流の浅い案件が社内にあっても、本人が選べなければ意味がありません。アサインの決定権が誰にあるかまで踏み込んで確認します。
  • 技術力への投資はやめない:商流は取り分を決めますが、上限を決めるのはやはりスキルです。商流の浅い環境に移ったうえで技術を伸ばして初めて、単価は本格的に伸びていきます。

アンサーライズは、受注単価を100%開示しています。

この記事で書いた「商流の深さ」も「実際の受注単価」も、当社では入社前に数字で確認できます。還元率は60%以上(平均65%)で、これは社会保険料の会社負担分を含まない、あなたの月額固定給そのものの割合です。会社負担分は別途当社が負担しています。参画する案件はご自身で選べるため、商流の浅い案件を選ぶという判断も本人の手元にあります。

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